クリーンヒット⚾ フィクション
『クロスオーバー』
クワミ・アレクザンダー 作
原田勝 訳
岩波書店 刊
2023年7月12日 発行
定価1980円（税込）
250ページ
対象：中学生から
躍動感あふれる、エキサイティングな物語
アメリカのとある町を舞台に、もうすぐ13歳になる双子ジョシュア（ジョシュ）とジョーダン（JB)の兄弟を主人公にした物語。元プロバスケットボール選手だった父親と双子が通う中学校の教頭の母親との4人家族の日々がジョシュの語りで綴られます。
中学校のバスケチームでは、二人は息の合ったプレーで順調に大会を勝ち進みます。そんななか、父親の体調に異変がみられ…。
部活動と勉強の両立や、さまざまな葛藤や両親への思いや不満などがいきいきと描かれています。それは、詩物語で綴られているためも大きいかと思いました。短いセンテンスの言葉には力がみなぎっていて、グイグイ引き込まれました。時折、つい声をあげて笑ってしまったくらい、ユーモアのセンスにも満ちています。
思わず「YO！ YO！」といいたくなっちゃうくらいグルーヴ感を生むような、心地よいリズム感に溢れています。まるで歌みたい。作者は詩人でもあるようなので、そのセンスがいきているのかな～？ 翻訳も難しいと思うのですが、違和感はまったくなく読みやすかったです。
250ページある！ と引かないで、気軽に手にしてみてほしい。本当に歌うように、読み進められると思います。
バスケットボールの試合の場面の迫力は満点！ バスケ好きな人にも読んでみてほしいな。
今年はいまだ映画「THE FIRST SLAM DUNK」が流行っていたり、もうすぐバスケットボールのワールドカップが沖縄で開催されたりもするので、読書もバスケットボールで盛り上がろう！（笑） （す）
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