クリーンヒット ⚾ フィクション
『アリゲーターガーは、月を見る』
山本悦子 著
理論社 刊
2025年5月 発行
1650円(税込)
190ページ
対象:中学生から

孤独の向こうに見えてくる月の光のような物語

名古屋城のお堀にアリゲーターガーという巨大な外来魚がいる!?
このどこにも行けないガーに引き寄せられるように、夜のお堀に3人の若者がやってきます。
母の信仰が原因で学校に馴染めず不登校になった航(わたる)、弟の交通事故死の責任を感じ自分を責め続けている朔哉、高校卒直前に祖母を亡くし天涯孤独の身になった葉月。
彼らの孤独とアリゲーターガーの孤独が響き合います。

3人の話が軽やかにつながっていて、この話の形態が実にうまく機能していると思いました。

現代が抱える問題を背景にしながらも、それはあくまでも背景として描いており、重すぎずにスイスイ読めます。登場人物がそれぞれに魅力的でした。
読後感はさわやかで、よいです。そっと寄り添ってくれる物語です。 (す)

★ご注文、お問い合わせはお電話、Fax、メールにて承ります★
売場直通電話 03-3563-0730
Fax 03-3561-7350
メールでのお問い合わせは下記のフォームからどうぞ。

お問い合わせフォームへ