ベスト 👍 詩
『心の中にもっている問題 詩人の父から子どもたちへの45篇の詩』
長田弘 著
晶文社 刊
2025年4月 新装版発行
2420円(税込)
176ページ
対象:中学生から
ひとの年齢というのは、ひとが心の中にもつ問題の数なのだ
今年は詩人・長田弘さんの没後10年にあたります。それを記念して、これまで文庫化もされず入手困難になっていた詩集が、オリジナルデザインのまま復刊されました。
本詩集で1991年に第13回路傍の石文学賞をとられた長田さんは、詩のみならずエッセイ、評論、翻訳、児童文学等の分野においても幅広く活躍したことで、多くのファンがいる詩人です。この詩集はやさしいひらがな詩から、大人になった子どもに向けて贈られた少し難しい詩まで、20年の間に書き綴られた詩を1冊にまとめたものーーまるで全体は人生という一つの物語のようで、楽しかったり、寂しかったり、不可解だったり、読む人の感情を様々に揺さぶります。
詩を読むことは言葉を深くかみしめることです。情報の言葉はさらさらと頭の中を流れすぎていきますが、詩人の言葉はたえずどこかにひっかかりを覚えます。今まさに自分の気持ちに寄り添う言葉に励まされ嬉しくなったかと思うと、次の詩では意味も分からず茫然とし、そのあとでは心地よい日本語の響きにウキウキしたり……詩の読み方は人それぞれ自由で、正解はありません。だからこそ、周りや己の中の言葉に信頼を失いかけた時には、詩人の言葉に耳を傾け、ゆっくりと深くその言葉を自分なりにかみしめる必要があるのだと思います。
今回、たくさんの詩の中でナルニア国スタッフが特に気に入った一篇は「キャベツのための祈り」。さてその理由は? ぜひ本を開いて読んでみてください! (か)
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