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”聖書の選び方”講座2時限目:わかった気になれる「翻訳」の違いについて

「翻訳」の違い

聖書の翻訳はすばらしい大事業です。ですので、どの翻訳聖書が一番良いということは一概に言うことができません。たとえばかなり以前に訳された文語訳聖書であっても、文語体の持つ力強い韻律に魅せられるファンが今も絶えません。また、翻訳という作業の性質上、原文にまったく忠実に訳されるということは有り得ず、それぞれの訳者が言葉を慎重に選びながら素晴らしい翻訳をしています。

「聖書 聖書協会共同訳聖書」

2018年12月、日本聖書協会が31年ぶりに刊行した新訳です。カトリック・プロテスタント諸派の協力による翻訳で、「礼拝での朗読にふさわしい」ものとすることを方針に据え、作業には、聖書学者のほか、歌人などの日本語の専門家も関わりました。意訳か、直訳かにこだわるのではなく、礼拝にふさわしい「格調高く美しい日本語」とすることを大切に作られています。

「聖書 新改訳2017」

1970年に刊行された「聖書 新改訳」に全面改訂をほどこし、2017年10月に出版された翻訳です。「原典に忠実である」という「新改訳」からの理念を踏襲しつつ、時代による日本語の変化を意識した、より簡潔で自然な表現の翻訳となっています。

その他の翻訳

最新の翻訳以外にも今なお親しまれ、礼拝や聖書研究でで使用されている聖書に下記のようなものがあります。

新共同訳聖書・・・日本聖書協会から1987年に発行された現代日本における新しい翻訳。カトリック、プロテスタント、教派を問わず広く使用されている。口語訳聖書・・・日本聖書協会発行。1954年に新約、1955年に旧約発行。日本人による初めての完訳聖書。かつての標準的聖書で、各種文学作品にも引用されるなど、慣れ親しんだ方は多い。近年はラインナップが少なくなっている。
文語訳聖書・・・日本聖書協会発行。1887年に旧約、1917年に改訳新約、1982年に新組版発行。文語調の美しい文章で、今なお愛読者が絶えない名訳。新改訳聖書・・・日本聖書刊行会発行。原語(ギリシア語・ヘブライ語)に忠実に訳出しているとされる。2003年に第三版が刊行された。
フランシスコ会訳聖書・・・フランシスコ会聖書研究所発行。カトリック公認の日本語訳聖書。原語に厳格に訳出、訳文中に細かな脚注がある。2011年現在、新旧約完本が発刊された。個人訳聖書・・・主にある個人が一貫して翻訳した聖書。訳者の個性・思想などが反映され、聖書研究などに用いられることが多い。通常は礼拝、ミサ、集会などで使用されることはない。

”聖書の選び方”講座1時限目:初めての聖書

”聖書の選び方”講座3時限目:聖書の構成について

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