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📖『くんちゃんのはじめてのがっこう』ペンギン社(税込1045円)
さく)ドロシー・マリノ/やく)まさき るりこ


こぐまのくんちゃんは、きょうから一ねんせい。あさごはんがすむと、おかあさんといっしょに学校へむかいました。学校につくと、お母さんとは少しの間、お別れ。おかあさんにもいっしょにいてほしいと思ったくんちゃんでしたが、先生に導かれて入った教室には、たくさんの子どもたちのすがたが。そこでは 上級生も一緒に勉強をしています。教科書を読んだり、字を書く上級生のすがたを見て、くんちゃんはいすのうえでちいさくちいさくなりました。一度、授業がひと段落したときのこと。くんちゃんは入口のほうを見ました。戸は、まだ開いています。先生に呼ばれて移動するとき、さっと、外へ飛び出してしまったくんちゃん。でも、窓の外から教室をのぞいて授業を聞いていると……

本作を訳された 間崎ルリ子さんがあとがきで「日本の入学式とくんちゃんの入学式での違い」について書かれてます。くんちゃんの入学式は「形式ばらず、気軽で、日常的で、そして暖かい」こと、そして、その始まりは「ごく自然なかたち」で学校生活の第一歩をふみ出すことができるそう。 かたちはちがっていたとしても、「しあわせで豊かな学校生活を送ることができますように」という思いがこめられた1冊を、ぜひお手にとってご覧ください。みんなきっと、くんちゃんが大好きになりますよ。

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📖『あしたがっこうへいくんだよ』評論社(税込1100円)
ぶん)ミルドレッド・カントロウィッツ/え)ナンシー・ウィンスロー・パーカー/やく)せた ていじ


ぼくは、あした学校にいきます。眠って起きたら、学校です。
「あした、きみ がっこうへいくんだよ。」と、ぼくは、くまのぬいぐるみ ウイリーに話しかけました。「がっこうって、すてきなところさ。せがのびて、としがふえて、大きくならなきゃいかれない。」 そう、ウイリーに声をかえて眠ろうとするのですが、なかなか眠れず「ウイリー?ねちゃった?まだおきてる?」と、声をかけます。へやがくらすぎるのが気になっている ぼく。でも「大きくなったんだから、あかりはけすさ。」と、頑張りますが、やっぱり”こんやだけ”と、部屋を少し明るくして…

学校への期待とドキドキでねむれない ぼくは、くまのウイリーに自分を重ねて話しかけ、だんだんと気持ちをおちつかせていきます。入学前の子どもにとっては、気持ちがよくわかるでしょうね。ウイリーが話す場面はありませんが、私には応援の言葉が聞こえてくるようでしたし、ウイリーがずっと黙っていることこそ、この絵本の素敵なところであると感じました。入学前にかぎらず、進級してクラス替えがあったり、転校したり、「明日から」の新しい日々にドキドキするようなときも、読みたい1冊です。

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📖『わたし ようちえんに いくの』文化出版局(税込1430円)
文)ローレンス・アンホール/絵)キャスリーン・アンホールト/訳)角野栄子


ようちえんに行くことになったアンナは、くつがひとりで履けるか、おともだちとなかよくできるかしんぱいで「おうちにいる」と言います。でも、いざようちえんに行ってみると、心配ご無用。先生がくつを履かせてくれました。さらに、トムくんというおともだちもできて、いっしょになかよく遊びます。とちゅう、おかあさんが帰ってしまう場面では「ママ、いっちゃうのー、ママー」と、今にも泣きだしそうなアンナでしたが、トムくんの声かけによって、おすなばであそんだり、おままごとをしたり、とっても楽しそう。帰るときには「あしたもようちえんにいくんだ、わたし」と、まるでスキップしているかのように嬉しそうな姿が見られます。

子どもにとって、大きな”はじめの一歩”を踏み出すのが、幼稚園(保育園)。おとうさんやおかあさんと離れてすごすことになる環境を想像すれば、先が見えないドキドキで胸がいっぱいになることでしょう! 本作では、不安がる子どもに寄り添う、お母さんの姿も描かれています。色鮮やかで細やかな絵も魅力的。きっと、「ようちえんって、楽しそうだな」と、期待のほうが大きくなるのではないでしょうか。

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📖『にほんご』福音館書店(税込1650円)
著)安野光雅|大岡信|谷川俊太郎|松居直

文部省学習指導要領にとらわれない、小学校一年生のための国語教科書を想定してつくられた1冊です。「読み」「書く」ことよりも、「話す」「聞く」ことを先行しており、「ことばの豊かさをまるごととらえること、ことばは口先だけのものでも、文字づらだけのものでもなく、全身をあげてかかわるものだということを、子どもたちに知ってほしいという思いがこめられています。

本書は「こんにちはのいろいろ」「みぎってどっち?」「さかさことば」「がいこくからきたにほんご」「えことば・からだもじ」「おはなし」など、「にほんご」に関して、やさしく学べる内容が盛りだくさん。なかでも、とくに〈とき〉は 折れにふれて、ゆっくりと 読み返したくなります。大人も立ち止まって考えたいことが沢山 記されいるので、子どもだけでなく、子どものお手本ともなる存在の大人にもおすすめの1冊です。

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ほかにも、おすすめの本をいくつか平台にて展開中です。ご覧くださいませ♪


📖『ともだち』『がっこう』冨山房(各/税込880円)

📖『うさこちゃん がっこうへいく』福音館書店(税込880円)


📖『いっぽんの鉛筆のむこうに』福音館書店(税込1430円)

 

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