古典というと何だかとっつきにくいと感じられる方も多いと思いますが、最近古い作品が新しい訳で出直すことが多くなっています。言葉が新しくなることで、作品そのものが甦ることはよくあることなのです。ここでは「新しい年の初めはこの1冊から」と題して、児童文学の“古典新訳”を集めてみました。スタッフのイチオシは福音館書店古典童話シリーズの最新刊『小公女』(高楼方子訳)。セーラの物語を「いじめに耐え抜く健気な少女のお涙頂戴物語」と思っている方、ぜひこの高楼さん版『小公女』を読んでください!セーラという主人公の芯の強さに、目から鱗がポロポロ落ちるはずです。時代を超えても古びることのない人間の物語が描かたこの作品は、これからきっと新たな読者とファンを獲得していくに違いありません。同じくバーネットの『小公子』(脇明子訳・岩波少年文庫)や、『鉄道きょうだい』(中村妙子訳・教文館)などもお薦めです。
※2012年5月27日(日)には、ナルニア国主催の高楼方子さんの講演会が予定されています。どうぞご期待ください。