みなさん、こんにちは!今日も“黄金時代のアメリカの絵本”続きです。アメリカの絵本の発展は、移民の存在と切り離せなかった…という、絵本の歴史=アメリカ合衆国の歴史ともいえるところです。この視点は新鮮!

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その前にここは“デザインの時代―デザインと絵本―”のコーナーに展示された絵本。これ、実は「ピーターラビットのおはなし」なんです。ポターは生前、アメリカでいろんなタイプの海賊版が出たことをよく思っていなかったと聞いたことがあるけれど、これもポター的にはペケかな…(笑)

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この2作はレナード・ワイスガードの絵本です。右側の本は日本でも江國香織さんの翻訳で出版されている『うみべのおとのほん』―子犬のマフィンが出てくる“ノイジー・ブック”の1冊。ちょっと前に見た“芸術家を志した画家たちの絵本”と、ワイスガードのシャムネコの本(左側)は、やっぱり違うね!この違いは面白いゾ。

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ここは“大衆絵本”のコーナーで、今見ているのは『たくさんのお月さま』の作者、ジェームズ・サーバーの本。サーバーは雑誌ニューヨーカーで活躍した漫画家だったそうで、このへんてこな(ゴメン!)くまたちのお話は『現代イソップ・名詩に描く』だそうな。絵からも風刺っぽい雰囲気が感じられる…。

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この辺りから“外国からきた絵本の描き手たち”のコーナー。ボクが一番きれいでびっくりしたのは、このアーチバシェフという画家の絵本です。日本には全く紹介されていないので、初めて見たのだけれど、どうして紹介されてないの!?と思うくらい、とにかくステキ。ぜひみんなもこの人には注目してください!

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これはウィリー・ポガニーのマザーグースの本。ポガニーは去年の東京子ども図書館の絵本の歴史カレンダーに取り上げられた人だから、記憶に新しいね。岩波の子どもの本の『金のニワトリ』(日本で唯一手に入るポガニーの本)は正直、印刷もぼけてる感じで魅力を感じなかったけれど、これはとってもきれいで、改めていい絵だなーと思いました。

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これは知ってる!デュボアザンの『ロバのロバちゃん』だ。これ、表紙はカラーだけど中ページはモノクロなんだって。なんでだろうねぇ…?偕成社から出ている日本語版は1960年にリニューアルされた版で、これは1934年版です。カラーでもちょっとぼかしたようなやわらかい色彩がとてもきれい。

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ドーレア夫妻の作品はいくつか日本にも紹介されていて、ボクたちも読むことが出来るけれど、これは見たことないね~。この「ニルス」って男の子、真っ直ぐにこっちを向いていて、ほっぺもつやつやしてて、とってもかわいい!!「ポカホンタス」もディズニーアニメとは全然違うよ。ドーレアの石版画は独特の美しさだなぁ…うっとり!

というわけで、アメリカの絵本もこれでほぼ終了。次回はおまけでちょっとすごいお宝公開。その後はロシアの絵本と続きまーす。