oujitokojiki
先週のドラマ「花子とアン」の中で、村岡印刷さん(の弟クン)が花子さんに渡した本“The Prince and the Pauper”は日本語タイトル『王子と乞食』で、花子さんの翻訳書の中でもとっても大事な1冊なんですが、どういう経緯で翻訳されたか『アンのゆりかご』を読んだ人はご存知ですよね?実は花子さんが愛息・道雄くんを6歳の誕生日を前に疫痢で亡くした後、本を読む気力もなくして嘆き暮らしていた時に、片山廣子さんからかつて薦められたこの『王子と乞食』の原書を手にして、2日間寝食を忘れて没頭し、その後「日本中の子どもたちのために上質の家庭文学を翻訳しよう!」と決意するきっかけとなった本なんです(説明が長くなってゴメンナサイ)。だから、本当に本当に、とーっても重要な作品なんですよ~!!最初に出たのは平凡社からでしたが、今は岩波文庫(お安くて780円+税!)で読めます。あとがきには「私の最上の努力がここにこめられていることを敢て宣言したいところであります」と書かれています。花子さんの渾身の1冊を、ぜひあなたのお手元に!

そして、子どもの本のファンの人にはもうひとつ耳寄り情報があります。この挿絵に見覚えはありませんか?実はこれ、『はなのすきなうし』のロバート・ローソンが絵をつけてるんです。そう思ってみると、オオーという感じでしょ(笑)