
【たくさんのふしぎ40th】🤔 (1997年9月号)
『お姫さまのアリの巣たんけん』
秋山あゆ子 作
福音館書店 刊
2007年1月20日 発行
1430円(税込)
40ページ
小さくなってアリの世界に迷い込む
科学絵本なのに「むかし、むかしーー」と始まる不思議な一冊。これはお姫さまが小さくなってアリの巣を探検するという”お話”仕立てで進みます。虫が好き、アリに興味がある人にはもちろん、「物語は大好きだけど、科学の本はニガテ…」という人にもストーリーを追いながら楽しく学べるのでおすすめです。作者の秋山あゆ子さんが描いた絵がかわいらしいので、虫が嫌いな人も嫌な思いをせずに読めますよ。
虫が大好きなお姫さまは、ある日仲間たちとともにクロヤマアリの巣に住む仙人に体を小さくされてしまいます。クロヤマアリは「におい」で仲間か敵かを判断するアリ。仙人の術で仲間のアリのにおいを身にまとい、さあ、アリの巣探検に出発です。アリに詳しい仙人に導かれて、巣穴の様子をのぞいたり、女王アリについて教えてもらったり、アリがチョウを育てている現場を目撃したり。一言にアリと言っても、いろいろな種類のアリがいます。アリと言えば行列。行列はエサを見つけたアリが仲間のアリにエサの場所を知らせるためのものですが、すべてのアリが行列をつくるわけではありません。お姫さまたちが最初に出会ったクロヤマアリはにおいを発して仲間に協力を要請し、太陽の位置や地形を頼りにエサまでたどり着きます。
自分でエサを探さないアリもいます。サムライアリはクロヤマアリのサナギを盗み、自分たちの巣で働かせて食べ物を得ます。サナギから孵ったクロヤマアリはサムライアリを家族と思い、せっせとエサを運びます。ひどいことのように感じますが、サムライアリは戦うことに適したあごの作りをしているので、エサをかむことができません。自分でエサがとれないので、他の種のアリに頼る、それもまた生き方なのだとお姫さまたちとともに読者も学びます。
知っているようで知らないアリの不思議。好奇心いっぱいのお姫さまと一緒に、あなたもアリの巣探検にでかけませんか?(ほ)
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