【たくさんのふしぎ40th】🤔(1986年11月号)
『アラスカたんけん記』
星野道夫 文・写真
福音館書店 刊
1990年02月15日 発行
1430円(税込)
40ページ
運命の扉を開いた、1枚の写真
星野道夫さんは、19才のころ、ある1枚の写真に魅せられます。
それは、アラスカの本に掲載されていた、シシュマレフというエスキモーの村の写真でした。
「こんなさびしいところで、どうやってエスキモーの人たちはくらしているのだろう。」と考え、村を訪れることを切望した星野さんは、「村長さんへ シシュマレフ村 アラスカ」とだけ宛名を記し、自身が抱く思いを手紙にしたため、送りました。 その半年後、エスキモーのある家族から「いつでもきなさい」という手紙が届きます。それは彼にとって、当時はまだ遠い未知の国であったアラスカが、手に届きそうなほど近づいた出来事であり、運命の扉が開いた瞬間でした。
星野さんは、手紙をくれたウェイオワナ一家との生活を始め、ひと夏をすごすなかで、「地のはてと思っていたところにも人の生活がある」ということ、「自然の中で生活するエスキモーの人たちにとって、動物は見て楽しむものでなく、生きていくために殺さなければならない」ことを知ります。日本に帰国後も、アラスカのことが心から離れることがなかった星野さんは、アラスカを写すためにカメラマンになる夢を抱き、アラスカに移り住むことに。こうして「アラスカたんけん」の旅が、始まりを迎えました。
本書では、「クマの1年」の生活記録、「氷河の海の旅」、「カリブーの旅」について、現地に腰を据えた星野さんだからこそ分かる事実を、写真とともに教えてくれます。
オオカミがいて、冬にはオーロラが空にあらわれる、ふしぎな国ーーアラスカ。
星野さんが撮影したオーロラの写真は見開きで見ることができ、圧巻です。写真だけでなく、星野さんの言葉で語られるオーロラの魅力には、まるで目の前にオーロラが広がっているような感覚がし、心が震えました。いつかオーロラをこの目で見るのが幼いころからの夢なので、いつか実現させたいです。そのときは、星野さんが見たアラスカで。(み)
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