【たくさんのふしぎ40th】🤔 (2019年7月号)
『ブラックホールってなんだろう?』
峯重 慎 文
倉部 今日子 絵
福音館書店 刊
2022年6月5日 発行
1430円(税込)
40ページ

この宇宙は、ブラックホールだらけ……!

ブラックホールは長いこと、理論上は存在する(かもしれない)が確かな証拠のない天体として謎に包まれていました。それが2019年にようやく撮影に成功、地球から5500万光年離れたところにあるブラックホールの影の画像が得られたのです。まだまだ研究途上ではありますが、近年では地球や太陽が生まれるのに大きな役割を果たした可能性のある存在として、注目を集めつつあります。

ブラックホールのイメージは「なんでも吸い込む」ということに尽きるのではないでしょうか。滑り台のように周囲のものを吸い込むブラックホールが、私たちの地球がある天の川銀河に、なんと100万個以上あると聞くとちょっと怖い気もします(でも地球の近くにはないので安心してね)。ものすごい力でモノを引っ張り、光までも吸い込んでしまうブラックホールですが、吸い込まれたものがどうなるのか、どこへ行くのかはまだ分かっていません。
わからないことだらけのブラックホールですが、その誕生は星(恒星)の死と関係があり、同時に星の誕生にもかかわっていることが少しずつ解明されてきています。どれもとても難しい理論ですが、この本では数字や数式ではなくイラストが具体的にわかりやすいイメージを伝えてくれるので、物理が苦手でも不思議の要素は感じることができるでしょう。なにより、見ることができないブラックホールをその理論から「ある」と信じて研究を続け、ここまでたどり着いた研究者たちの情熱に圧倒される思いです。人間の「なんだろう」「知りたい」という好奇心はもしかしたら、ブラックホールが光を吸い込むのと同じくらの強い力があるのかもしれません。そしてこの後、ブラックホールの謎を解き明かしていくのは、今この本を読んでいる小学生の読者かもしれないと、著者は大いに期待しているようです。(か)

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