
【たくさんのふしぎ40th】🤔 (2014年12月号)
『マダガスカルのバオバブ』
堀内孝 文・写真
福音館書店 刊
2023年6月15日 発行
1430円(税込)
40ページ
世にもふしぎなすがたをしたバオバブの謎にせまる
サン・テグジュペリの『星の王子さま』にも登場するバオバブの木は、世界中に約10種類あり、そのうちの8割がアフリカ大陸の南東に位置する島国マダガスカルに存在しています。そして、日本の1.6倍ほどもある巨大な島マダガスカルの中でも、特に暑くて乾燥している西海岸と南部にバオバブは生えているのです。
高さが20メートル以上にもなるグランディディエリー・バオバブ、幹の周りが11メートルもある樹齢3000年のフニィ・バオバブ―― 一口にバオバブと言っても、種類や環境によってその姿は千差万別、同じ木でも乾季と雨季では別の表情を見せてくれますし、私たちが日ごろ目にする木とは全く異なる不思議な姿をしており、著者がその存在に強くひかれたことも納得できます。バオバブは長期間の乾燥に耐える構造として太い幹の内側のスポンジ状の部分に数トンもの水をためることができ、また皮の下には葉と同じ役割でエネルギーを作り出す組織を持つなど、厳しい自然環境で生き延びるために長い時間をかけて進化・適応してきたのです。
この地域の人々に多くの恵みを与え、村人たちから大切に守られてきたバオバブも、開発や気候変動により急速に数を減らしています。マダガスカルのバオバブがこれから先も生き続けることができるかどうかは、私たちの暮らし方ともかかわりのある問題なのです。(か)
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