【たくさんのふしぎ40th】🤔(2010年1月号)
『石の卵』
山田英春 文・写真
福音館書店 刊
2014年5月10日 発行
40ページ
割ってびっくり!奥深い石の魅力
黒い背景に何の変哲もない灰色の石が一つ。そのあまりにシンプルな表紙にかえって好奇心がかき立てられます。ページをめくると石の断面の写真が目に飛び込み、びっくり!石の中には不思議な模様が広がっています。この石は「ドラゴンの卵」と呼ばれており、大昔の海底で生まれました。死んだアンモナイトや貝に泥などの成分が数千万年~1億年以上かけて少しずつ付着し、石のような形になったのです。もう一つ、同じく見た目はただの石ですが、その内側に驚くべき美しさを秘めた石の卵、「雷の卵」があります。この「雷の卵」は火山の噴火によって溶け出した溶岩が固まり、メノウ、ジャスパー、オパールなどが内部に生成されることで誕生した石なのです。
これらの石を入手するために各地を巡って石探しをする人は「ロックハウンド(石追い)」と呼ばれます。現在「雷の卵」がとれる荒れ地や山の中だけでなく、まだ誰も見つけていない土地求めて外国まで足を運び、スコップやツルハシ、パワーショベルなどで掘り出します。なんと、熱心さのあまり石の産地に住んでしまう人もいるそうです…!そこまでの熱意には及ばないにせよ、山や荒れ地を散策して石を探すのは、宝探しをしているようでワクワクしますね。「ドラゴンの卵」も「雷の卵」も世界各地で産出されます。もちろん、日本でもとることができます。偶然見つけた石を割ってみたら素敵な宝物にめぐり合える、なんてこともあるのかもしれません。
著者の山田英春氏はブックデザイナーという本業のかたわら、各国をめぐりご自身の石コレクションを収集しています。そんな石愛あふれる著者が撮影した写真も見どころの一つです。内部に複雑な模様を宿す石の様子は言葉で伝えることが難しいもの。ぜひ本書を手にとって地球が創り出す神秘をご鑑賞ください。(ほ)
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