
【たくさんのふしぎ40th】🤔(2000年4月号)
『絵くんとことばくん』
天野祐吉 作
大槻あかね 絵
福音館書店 刊
2006年1月20日 発行
1430円(税込)
40ページ
何かを伝える時に大切な<絵>の力と<ことば>の力
もう4年生になったのに、優太くんのおこづかいは500円。1000円にしてほしいのですが、お母さんに直接交渉しようにも口ではとてもかないません。そこで優太くんはキッチンにポスターを貼って訴えることにします。その時、優太くんの頭の中に<ことば>の声がしました。ことばでものを考えることが得意な<ことば>は「自分ばっかりつかわないで、こどものこづかいふやせ!」というキャッチコピーを思いつきます。すると頭の中でもう一つ別の声がきこえてきました。絵で考えるのが得意な<絵>の登場です。そのようなことばではお母さんを怒らせてしまうと考えた<絵>は、ユーモアを使ってお母さんの心を掴もうと、おかしな絵を加えて楽しめるようなポスターを思いつきます。しかしこれでは愉快すぎると考えた<ことば>は<絵>と相談して…。
優太くんの頭の中で<ことば>と<絵>の創作合戦が展開していくちょっと変わった一冊。「ことば」と「絵」それぞれの利点がよく理解できる作品でもあります。「絵」のみの表現では伝わりづらいポスターになりがちですし、「ことば」だけではなんだか味気ない。2つが補い合うことで誰にでも伝わり、説得力のあるポスターになります。著者は広告の批評を行っていた天野祐吉さん。知らない相手に対象商品をどうすればわかりやすく伝えられるかを長年考えてこられました。子どもにもわかりやすい本書ですが、私たち大人にとっても何かを伝える時、何かをアピールしたい時に欠かせない考え方を学べます。(ほ)
★ご注文、お問い合わせはお電話、Fax、メールにて承ります★
売場直通電話 03-3563-0730
Fax 03-3561-7350
メールでのお問い合わせは下記のフォームからどうぞ。


