【たくさんのふしぎ40th】🤔 (2007年10月号)
『トルコのゼーラおばあさん、メッカへ行く』
新藤悦子 文
牡丹靖佳 絵
福音館書店 刊
2023年6月15日 発行
1430円(税込)
40ページ

メッカってなに?イスラームの文化を知る

著者の新藤悦子さんとゼーラおばあさんが出会ったのは、1997年の夏。トルコ最大の都市イスタンブル近くにあるヤヌック村に友人を訪ねた時のことでした。ゼーラおばあさんとの親交をとおして著者はイスラーム文化の理解を深めていきます。ある時、ゼーラおばあさんがメッカに巡礼に行ったときき、びっくり。その時おばあさんは64歳。外国を旅行した経験はおろか村を出ることもめったにない彼女はいったいどのように、どんな思いでメッカに向かったのでしょうか。

そもそもメッカとはなんでしょう?メッカとはサウジアラビアにあるイスラーム教徒の聖地のことです。イスラーム教徒の5つの義務、五行の5番目に「巡礼」があり、イスラーム教徒にとって大切な勤めです。ただしメッカに行くというのは、肉体的にも、金銭的にも簡単にできることではありませんので、これはできる人に限られる条件付きの義務です。それでもメッカには毎年世界中からイスラーム教徒が集まります。巡礼ツアーも企画されており、大変人気とのこと。ゼーラおばあさんもこのツアーを使ってメッカを訪れました。滞在期間は1か月。滞在中はホテルで生活をしながら、聖モスクで礼拝をする日々です。

本書では著者とゼ-ラおばあさんの会話をとおして、イスラームの文化や考え方に触れることができます。ニュースで耳にする情報から、イスラーム教徒に対して極端な思想をもつ過激な人をイメージする方も多いのではないでしょうか。ですが、そうしたニュースだけではわからないことが本書にはたくさん書かれています。印象に残ったのは、聖地メッカが国際交流の場にもなっているということです。世界中から2百万人ものイスラーム教徒が集うこの地では、外国の信者と知り合う機会にも恵まれます。異なる文化圏の人々と同じ土地で礼拝をする経験は、巡礼者の視野を広げ他者への共感を呼び覚ますことにも繋がるのではないか。これこそ宗教のあるべき姿なのかもしれない。そんなことを考えました。(ほ)

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