2017年に刊行された瀬田貞二昔話集『さてさて、きょうのおはなしは……』は、瀬田さんの生誕100年を記念して出版された日本と世界の昔話の本です。絵本になっているものも改めて言葉だけで聞き(読み)直してみると、瀬田節といわれるリズムや言葉づかいなどがどことなく可笑しみもあって耳に心地よく、声に出して読みたくなります。この瀬田昔話集の姉妹編として出版されたのがこの度の新刊『ねえねえ、きょうのおはなしは……』です。こちらもまた、昔話の再話では定評のある大塚勇三さんによる世界の楽しい昔話を20話集めた作品集―-と聞けば、手に取らずにはいられません。

このお話集は、大塚勇三さんが福音館書店の月刊誌「母の友」や「おおきなポケット」などに紹介・掲載されたものが中心とのことですが、雑誌というのはある一定の期間が過ぎると廃棄処分されてしまうものなので、せっかくのお話が日の目を見なくなってしまうことも多いのです。こうして一つの作品集としてまとめられたことは、お話好きの子どもたち、そして大人にとっても非常に嬉しいことでしょう。

収録作品の中には有名なグリムの昔話の他、ノルウェー、ロシア、リトアニア、アイルランド、ギリシア、ウイグルなどの珍しい地域のお話もあります。どのお話にもユーモラスなところが見え隠れし、大塚さんが子どもたちに伝えたかったのは、こういった大らかに人生を生き抜く力だったのかしらと想像されました。

『ねえねえ、きょうのおはなしは……世界の楽しいむかしばなし』大塚勇三 再話・訳/PEIACO 画/福音館書店 1210円(税込)

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