クリーンヒット⚾ ノンフィクション
『こうもり』
アヤ井アキコ 作
福井大 監修
偕成社 刊
2022年7月 発行
定価1650円(税込)
40ページ
対象:小学校低学年から

実はわたしたちのすぐそばにいる、小さくて不思議な生きもののくらし

こうもりを見たことありますか。空を飛ぶ唯一の哺乳類です。気がついていないかもしれませんが、実は人の生活のそばにこうもりは暮らしているのです。20年くらい前まで浅川のそばに住んでいた頃は、夕方になると土手でよく、飛んでいるこうもりを見ました。最初、鳥かと思うけど飛び方が独特なので「あっ、こうもり!」と気がつくわけです。急旋回するので、ギョッとすることもしばしばでした。

本書はこうもりの生態を絵本仕立てで解説したもの。こうもりは一晩に体重の半分くらいの小さな虫を食べるそうです。その説明の絵がなんとも興味をひきます。小さい虫が画面にたくさん描かれているのです。子どもならきっと何匹描いてあるか、数えるのでは? と思いました。わたしも数えそうになりました…(笑)。よくこうもりを観察したと思われる丁寧な記述は、生きものへの深い愛情を感じられます。

あ、あとそうえいば、2年前の年末に住んでいる集合住宅のエレベーター脇の壁に1ヵ月ほど逆さまにぶらさがって寝ていました。急に現れて、急にいなくなってしまいましたが。毎日、眺め、棒切れでつついてみたりもしました。そしたら、小さい声で鳴いたんですよ! そして好奇心を抑えられず、触ってみました。思った以上にふわふわしていて気持ちよかったです。ホントは触ったりしちゃいけないのかもしれませんが…。

あなたの家の近くにも、こうもりがいるかもしれません。身近な自然に注意を向ける、よいきっかけになる1冊です。ちなみにこの本を書いたアヤ井さんは2019年の課題図書になった『もぐらはすごい』(アリス館)の人です~。 (す)

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