クリーンヒット⚾ フィクション
『となりのきみのクライシス』
濱野京子 作
トミイマサコ 絵
さ・え・ら書房 刊
2024年1月16日 発行
165ページ
対象:小学校中学年から

「子どもの権利」って、どんなもの?

「今日は、子どもの権利条約について少しお話したいと思います」
ある日、大西百合絵先生は、葉菜のクラスの終わりの会でこう言いました。大西先生は、担任の男性教諭「スギッチ」こと杉田稔先生の代理でやってきたおばあちゃん先生。あることをきっかけに担任が代わることになったのですが、どうやらその事情を知る人は葉菜のほかにはほとんどいないようで葉菜は心に錘を抱えながら過ごしています。
実は、葉菜の心を騒がせることはそれ以外にもありました。親友と同居することになったおじいちゃんのあからさまな男尊女卑、同じマンションの幼馴染は家庭内暴力に耐えている……。そして葉菜自身もまた、無意識のうちに両親の望む道を歩まされていることに気がつき葛藤します。身近な人たちのさまざまな問題に疑問を抱きながらも異を唱えたり抵抗したりする術を知らなかった子どもたちは、自分たちにも尊重されるべき権利があることを知り少しずつ変化していきます。

表面化されにくい問題を学校を舞台に描いた作品で、物語としても楽しめますが、読者の子どもにとっては主人公たちの境遇に寄って立つことで思考を重ねるきっかけになります。「おかしい」と思うことを勇気を持って「おかしい」と言うために、まずは物事に関する正しい知識と考える力をつけることだとこの本は現に教えています。 (い)

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