クリーンヒット⚾ フィクション
『ドアのむこうの国へのパスポート』
トンケ・ドラフト&リンデルト・クロムハウト 作
リンデ・ファース 絵
西村由美 訳
岩波書店 刊
2023年4月 発行
定価1980円(税込)
206ページ
対象:小学校中学年から

オランダの人気児童文学作家二人による、子どもたちへのエールに満ちた物語

新しい学年が始まったばかりの9月のオランダーー小学4年生のラウレンゾーが通うクラスには生徒が10人しかいませんが、みな元気でにぎやかな子ばかり。そんな子どもたちもトム先生が読んでくれるお話を聞くのが大好きで、その時だけは静かになります。
ある日、このおもしろいお話を書いた作家に手紙を書こうとトム先生が子どもたちに提案しました。子どもたちが質問を手紙にして作家のラヴィニア・アケノミョージョに送ると、「二人だけ、わたしの家にいらっしゃい。」という返事がきます。クラスから選ばれたラウレンゾーとテヤが川を向こうにある作家の家を訪ねると、彼女の家には「ちゃんとしたパスポートを持った人だけが入れるコスモポリタン連邦」に繋がる、鍵のかかったドアがありました。ドアの向こうに興味を持った子どもたちは、コスモポリタン連邦に入るパスポートとビザを手に入れるために、作家が送ってきた申請書に「正直に、また冗談めいた楽しい答え」を一生懸命考えて記入してみるのです……。

90歳のトンケ・ドラフトと、その30歳年下の友人の作家がともに作ったこの物語は、「手のかかる子どもたちのクラスについての物語(リンデルド・クロムハウトさんの言葉)」でもありますが、子どもたちを見守り、その可能性を引き出していく大人たちとの交流の物語でもあります。小さな困難を抱える子どもたちが、大好きなお話を通して考えること、書くこと、友だちと協力することなどを学んでいった先に見つけたものは? ラヴィニアの家の鍵のかかった扉の向こうにあったのは、どんなすてきな国だったのでしょうか。(か)

「あなたが思っている以上に、できることはたくさんあるのよ。あなたが信じたいと思えばね。」

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