クリーンヒット⚾ ノンフィクション
『作家たちの17歳』
千葉俊二 著
岩波書店 刊
2022年4月20日 発行
定価968円（税込）
210ページ
対象：中学生から
文豪の17歳を生い立ちから探る面白さ！
文豪といわれる太宰治、宮沢賢治、芥川龍之介、谷崎潤一郎、樋口一葉、夏目漱石。彼らの17歳に焦点を当て、その当時の日記や創作の言葉から人生の決断を紹介します。17歳…今でいう高校生のころ。初々しい恋心や、進路の悩みや家庭の事情など、今のその年頃の人たちの気持ちとそんなに変わらないことがわかります。
でも、芥川の「己と一緒に大きな世界へ来るがいい」とか、谷崎の「諸君は何のために学問を修めますか」なんて言葉には、10代とは思えないものを感じてドキッとしました。
また彼らの17歳前後の頃の写真が掲載されています。ふだん、作家の紹介で見る大成した頃のものとは違い、とても新鮮。個人的に芥川と漱石が好きなので、彼らの背景を知ることができたのはよかったです。作品を読み返してみたくなりました。あと、現在とは大きく違う学校制度についてのコラムがわかりやすくて◎。
教科書に採用されることの多い作家ですが、学校の授業では触れらないことに触れられます。作品の読みも深くなるかもしれません。 （す）
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