クリーンヒット⚾ フィクション
『吹雪の中の列車』
マト・ロヴラック 作
山本郁子 訳
ささめやゆき 絵
岩波書店 刊
2022年11月15日 発行
定価748円(税込)
218ページ
対象:小学校高学年から

子どもたちを乗せた列車が猛吹雪で動けなくなった! みんなは力を合わせてピンチを乗り切れるか!?

”子ども同盟”を結成した4年生の子どもたち30人は、特別車両で念願の日帰り旅行へ出かけます。しかし、猛吹雪にあい帰りの電車が動けなくなってしまいました。助けあおうと呼びかけるリューバンとそれに反発するペーロ。子どもたちの溝は深くなって…。
物語が動き始めるまでが長いので、ちょっと辛抱が必要ですが、描写が丁寧でじっくり読ませます。最近のジェットコースターみたいな物語ばかり読んでいる子には、しんどいかもしれません。
でも、ささめやゆきの挿絵が物語にちょうどよく寄り添ってくれます。牧歌的な雰囲気にぴったり。
こののんびりしたかんじは、今では描けない世界観だろうなと思います。
今の子どもがこの物語をどのように楽しむのかも気になります。
ゆっくりと味わってほしい作品です。

本書は、1930年代に書かれた中央ヨーロッパの国クロアチアで世代を超えて愛され続けている作品。また作者は国民的児童文学作家で、名前を冠した賞もあるほどとのことです。  (す)

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