クリーンヒット⚾ ノンフィクション
『増えるものたちの進化生物学』
市橋伯一 著
筑摩書房 刊
2023年4月10日 発行
定価880円(税込)
184ページ
対象:中学生から

増える能力が生命を悩める存在へと変えてしまった…!?

なんだか難しいけど、とても興味をひく内容でした。考えたこともなかった! …生物とそうでないものの決定的な違いは「増える」ことだとは! この本では生物の進化をひとつの物理現象と捉え、人間の生き方とどうつながっているのかを論じています。
著者が若いころからずっと思っていて、今でも時折思う疑問が「なんで生きているのだろう?」ということ。本書はこの自身の疑問に答えるために書いたのだとか。この疑問は誰もが一度はきっと思うことですよね。宗教的な答えではなく、科学的な答えを求めて、ひとつのかたちとして執筆されたそうです。

「第1章:なぜ生きているのか」「第2章:なぜ死にたくないのか」「第3章:なぜ他人が気になるのか」「第4章:なぜ性があるのか」「第5章:何のために生まれてきたのか」の章立て。また各章ごとに、まとめのページがあり、復習できます。
親子関係の悩みも、恋の悩みも、絶えずつきまとう不安や悩みは、突き詰めれば増えることを選択したための結果だといいます。そんな風にきっぱり思いきれませんが(だからこそ、生きているとも言えるかもですね)、少しでもこのことを頭の隅に置ければ、悩みも軽くなるかもしれません。
ちょっと斬新な思考ではありますが、最先端ってこういうことかも、と思いました。

著書の略歴も読んでも、なんだかすごいということしかわかりません(笑)。「試験管内で生命を模した分子システムを構築することにより、生命の起源ち進化を理解しようとしている」って、さっぱりチンプンカンプンです。でも、本書を読んで興味を持った若い人がいたなら、「おわりに」で「一緒に研究しましょう」とリクルートしていますので、ぜひ志願してほしいと思います。 (す)

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