クリーンヒット⚾ フィクション
『紫禁城のひみつのともだち１ 神獣たちのふしぎな力』
常怡（チャンイー）作
小島敬太 訳
おきたもも 絵
偕成社 刊
2022年11月 発行
定価1430円（税込）
253ページ
対象：小学校中学年から
［紫禁城］で放課後を過ごす10歳の女の子、小雨（シャオユウ）の冒険！
中国・北京にある紫禁城を舞台に展開する伝説の神獣と10歳の小雨の冒険物語。
小雨は、お母さんが紫禁城で夜遅くまで仕事をしているため、放課後は毎日のように紫禁城で過ごしていました。友だちはいないけど、200匹以上もねこがいて、シェパードが9匹、ほかにもたくさんの動物がいるので全然さびしくありません。とくにねことは大の仲良しです。なかでも梨花（リーファー）というのらねことは親友！
あるとき、小雨はきれいな石のイヤリングを拾いました。ちょっとだけ、と耳につけてみると、なんと梨花の声が聞こえて…。
中国に伝わる神獣～空を飛ぶ天馬、かがやく羽をもつ鳳凰など～が次々に登場し、小雨の冒険がはじまります。
「三国志」や「西遊記」といった古典ではなく、現代の中国を舞台にした現代を生きる子どものお話というのがミソ。ちょっと珍しい作品です。訳者あとがきによれば、本書はシリーズ化されているそう。作者紹介の文面には、ミュージカルやアニメーション制作もされているというから、本国で大人気の作品のようです。
テンポよく進むお話は、まさしく現代的です。「三国志」や「西遊記」が悪いわけではないけど、そればっかりじゃイマの子もおもしろくないものね。
挿絵は日本の画家がつけていますが、いろんな意味でちょうどよいかんじです。紫禁城の地図や神獣紹介の口絵もあり、読む助けにもなっています。
英米の作品とは一味違う物語をどうぞ、お楽しみください。
続きも楽しみです～。（す）
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