クリーンヒット⚾『おちゃめなパティ、カレッジへ行く』
ジーン・ウェブスター 著
三角和代 訳
新潮社 刊
2026年2月 刊行
定価781円(税込)
288ページ
対象:中学生以上

アメリカの女子大学寮で繰り広げられる最高の青春!

『あしながおじさん』のジーン・ウェブスターの記念すべきデビュー作。著者自身の体験も反映されたユニークで時に考えさせられる作品です。

舞台は1900年ごろのアメリカ、女子大の寮で暮らすパティの4年生の一年間を描きます。パティは行動力があり、物事をはっきり言う性格で、おもしろいことが大好き! 必ずしも「いい子」ではなく、度々茶目っ気たっぷりのいたずらを仕掛けては、下級生や教授を巻き込んだ騒動を引き起こします。
思い付きで架空の生徒を仕立て、ルームメイトのドイツ語クラブに入退部を繰り返させて友人を翻弄したり(5「幽霊部員ケイト・フェリス」)、抜き打ちテストを切り抜けるために演技で診療所の先生をだまして数日入院してみたり(7「一夜漬けのツケ」)、大げさに試験の落第を吹聴して一年生を脅したり(9「頼れるパティ先輩」)。そうかと思うと、自分で考え出したいたずらで強烈なしっぺ返しを食って大恥をかくこともあり(11「<地方色>としっぺ返し」)、パティの毎日はドタバタの連続です。
パティが通う女子大はウェブスターの母校・名門のヴァッサー大学がモデルとなっています。授業は大変厳しく、必死に励まないとついていかれなかったそうです。つまらなかったり、分からなかったりする授業のパティの乗り切り方(時にはさぼることも…)や教授の「取り扱い方法」には、作者の体験が反映されているのでしょう。パティの愛すべき性格から全体はコメディタッチの愉快な物語ですが、当時の女性の社会的な立場も垣間見え、楽しいだけではない現実も感じられます。

新訳となってとてもよいところは、パティたち女の子が文学独特の女言葉(例:~だわ)でしゃべらないこと! 100年以上前に書かれた本でも彼女たちの気持ちは今の女子と共通する部分がたくさんあります。すぐ隣の友人のように感じられる訳文のおかげでパティが読者にとって近しい存在になり得ることは、この作品が著者生誕150年の今年よみがえった意味なのだと感じます。(か)

◆刊行順では本作より後になる、パティ高校生のときの物語『おちゃめなパティ』も、ぜひ合わせてお読みください!

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