クリーンヒット ⚾ フィクション
『それからぼくはひとりで歩く』
アリシア・モリーナ 作
星野由美 訳
犬吠徒歩 絵
ほるぷ出版 刊
2025年6月10日 発行
1595円(税込)
108ページ
対象:小学校中学年から
目の見えないハイメの、ささやかで大きな冒険の1日
ちょっと珍しいメキシコの作家の作品です。
11歳のハイメは目のみえない男の子。最近、特別支援学校から地域の小学校に転入したばかりです。クラスに視覚障害があるのはハイメだけでした。
不便なこともありますが、さまざまな工夫をしながら、友だちと毎日を楽しんで暮らしています。
ある日、ハイメは気になっている女の子パウリーナを家まで送ることになりました。ふだん乗らないバスに乗ることになったハイメはーー。
目が見える見えないにかかわらず、知らない場所にひとりで行くって、子どもにとっては大冒険 (いや、大人でもそうかも)!
そんなハイメの気持ちが丁寧に綴られた物語です。
また目の見えない・見えにくい人たちが視覚に頼らずに楽しむ術をもっていることもよくわかります。聴覚を駆使してサッカーの試合や映画を楽しむ姿が描かれます。ハイメが身近に感じられ、目が見えるとか見えないとかって、人と付き合う際にはハードルになるものではないって思えました。
読後感が実にさわやかで、なんだか元気になれる1冊です。 (す)
*視覚障害などの理由で紙の書籍で読むことが難しい人のため、購入者個人の私的利用に限って、テキストデータを提供してくれるようです。巻末とホームページに詳細が書かれているので、参考になさってください。
もっといろんな本でこんなことがあると素敵! と思いました。
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