クリーンヒット ⚾ 『小学生記者がナガサキを記事にする みんなに伝えたい戦争や原爆のこと』
前田真里 著
くもん出版 刊
2025年7月12日 発行
1430円(税込)
72ページ
対象:小学校高学年から
原爆や戦争のことをみんなに伝えたい、知ってもらいたい
九州の長崎市に全国から小学生とその保護者が集まって、街なかで取材をして記事にする「親子記者事業」という活動があるそうです。2008年から始まった事業で、360以上の全国の自治体が加わった「日本非核宣言自治体協議会」という団体が運営しているのだとか。いやはや、全く知りませんでした。皆さんはご存知でしたか?
ググってみたら、わたしが住んでいる市でもホームページで募集していました。でも、自分の住まう行政区のホームページをくまなくチェックしている人って、どのくらいいるんでしょうか。
話がそれました(笑)。
本書は、これまでにこの事業に参加した小学生記者5人の活動を紹介しています。これがとても素晴らしい! びっくりしました。
選ばれた小学生とその保護者は前もって、太平洋戦争について調べたり、戦争を体験した人の話を聞いたりして、記事にまとめます。そのうえで長崎での取材を通して、戦争についてさらに詳しく知っていく。
そしてまわりの友だちなどが戦争について何も知らないことに気づいて「みんなに知ってほしい!」とそれぞれアクションを起こしていくさまが綴られています。発表会や映画上映、オリジナルの新聞作成と、その方法はさまざまです。
戦争体験者が次第に少なくなっていくなか、このような継承の方法(?)はもっと知られていいと思いました。ひとりでも多く戦争のことを我が事として考えられる若い人が増えるといいな。
子どもって基本、まじめな人たちです。そんな子ども時代にこんな体験ができたら、それは大きな財産になるに違いないです。
本書がこの事業をもっと知ってもらう機会になれば、と思います。学校図書館の棚には絶対、入れてほしい1冊ですね。 (す)
★ご注文、お問い合わせはお電話、Fax、メールにて承ります★
売場直通電話 03-3563-0730
Fax 03-3561-7350
メールでのお問い合わせは下記のフォームからどうぞ。