ベスト復刊👍 フィクション
『ジャングルの少年』
チボル・セケリ 作
高杉一郎 訳
松岡達英 絵
福音館書店 刊
1983年 発行/2024年4月 復刊
1760円(税込)
152ページ
対象:小学校中学年から

ジャングルで生きる少年と過ごした2週間!

アマゾン河で定期船が難破しました。乗客は命からがらなんとか岸へ避難しますが、ジャングルが行く手を阻みます。途方に暮れたところに弓矢を持った少年が現れました!
カラジャ部族のクメワワと名乗った彼は、七面鳥を射落として調理をしたり、丸木舟を操ったりして、乗客たちの困難を救ってくれたのでしたーー。

乗客のひとり「わたし」の視点で淡々と起こったことを描き出している本書は、まるでノンフィクションの読みものみたい。ジャングルで暮らす少年のたくましさは目を引きます。野生に生きるって、こういうことかもと思えます。

松岡達英氏の挿絵がこれまた素晴らしい! 丁寧にジャングルの生きものや様子の線画は的確に描写しています。ちょっと辞書に載っている挿絵みたいな雰囲気。
普段お話の本を読みなれない子も「本当の話?」と思って、飽きずに読んでくれそうです。

しかし、今回の復刊の案内を見るまでこの本の存在を全く知りませんでした! こんな本があったなんて。ちっとも古くさい印象はなく、こんな話の好きな子はいくらでもいそう。長いこと手にできなかったなんて、もったいないことと思いました。
今を逃すと次はいつ入手できるか? なので、個人はもとより学校図書館や公共図書館ではできるだけ蔵書するよう努めてほしいです。 (す)

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