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『やまの動物病院② とらまる、山へいく』
なかがわちひろ 作・絵
徳間書店 刊
2023年12月31日 発行
1870円（税込）
64ページ
対象：小学校低学年から
ねこのお医者さんのとらまるが、夜の山で大活躍！
昨年の夏に刊行された『やまの動物病院』に続く第2弾が、早くもお目見えしました。
小さな町はずれにある動物病院にいる大きなとらねこ、とらまるは夜になると人間にはないしょで動物の病気やけがを治すお医者さんでした。
さて、ある晩のこと。ウサギのおばさんがやってきて「とらまるちゃん、山に往診にきてちょうだい」と頼みました。早速とらまるはウサギのおばさんと山へ向かいます。途中で出会うカメやムササビ、イノシシたちの治療をしながら山を登っていくと、大きな滝のほとりに着きました。そこでとらまるを待っていたのは…。
次々に出会う動物たちと、とらまるの掛け合いがとても楽しいです。この動物が次々に出てくるかんじは『おかあさんだいすき』（岩波書店）みたい、と思いました。
作者が描く挿絵もとても塩梅よく、おはなしの世界にすっと入っていける助けになっています。動物たちの表情がいきいきとしています。
ねこのとらまるも、飼い主の先生と一緒にいるときと、動物たちを診ているときとでは、様子が違う。この描き分けが絶妙です。先生といるときは、すっかり安心しきった「飼い猫」の表情をしている。
会話も軽妙で、ついつい声に出して読みたくなってしまう、テンポのよい文章です。
１作目を知らなくても、この世界に入っていけるでしょうが、知っているとなおおもしろいので、ぜひこの機会に合わせて読んでみてほしいな。
読んでやれば、お話に慣れている子なら未就学児でも楽しめる世界です。 （す）
ちなみに１作目『やまの動物病院』は第33回ひろすけ童話賞を受賞しました（おめでとうございます！パチパチ）。
＊前作『やまの動物病院』のレビューはこちら。
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