ベスト👍 ノンフィクション
『身近な鳥のすごい巣』
鈴木まもる 著絵
イースト・プレス 刊
2023年5月10日 発行
定価1100円（税込）
186ページ
対象：中学生から
鳥の巣にはすごい不思議がつまっている！
絵本作家でありながら、鳥の巣研究家としての顔をもつ著者による、豪華オールカラーのイラストつきの鳥の巣から見える鳥や自然の不思議を綴った1冊。
まず「鳥の巣とはなにか？」ということをコンパクトに解説。そして「家につくる すごい巣」「木につくる すごい巣」「穴の中や隙間につくる すごい巣」といった具合に巣をつくる場所ごと数種の鳥の巣の解説と、奥深い生態についてわかりやすく書かれています。どんな場所に巣をつくるのかとか、どんなもので作っているのかとか、「へぇ～」の連続。知っているようで、ぜんぜん知らない世界が広がります。いや、知っていると思うこと自体、驕りだと思えます。だって、そもそも鳥の巣をちゃんと見たことすらないでしょう？
著者は鳥の巣を初めて見た時に、その造形美に魅了されたとか。鳥の研究家の着眼点とは違っていたからこその発見があったそうです。なるほどね。視点の違いって大事だなと思いました。
さらにこの記述を読んで、大いに賛同！！！！！
「キジバト」に関する章の最後の部分です。
“最近「ざんねんな〇〇」といったようなタイトルの書籍があるが、人間の傲慢というか、受けを狙っただけで、生命に対するリスペクトがないのは寂しく残念なことだ。めんどうくさがりなんていうのは人間だけで自然界には存在しない。自然の形に意味がないものはないのである。”
スカッとしました！ 我が意を得たり、の心地です。
それはともかく、鳥のすごさを改めて感じた1冊でした。 （す）
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