ベスト 👍 ノンフィクション
『出版という仕事』
三島邦弘 著
筑摩書房 刊
2025年7月10日 発行
990円(税込)
216ページ
対象:中学生から
本には、「おもしろのマグマ」がある。
本書は現在、東京・自由が丘と京都市の2拠点で活動している出版社、ミシマ社の代表である著者が「出版」という仕事を熱く語ったものです。
これまでにも『計画と無計画のあいだ』(河出文庫)や『ここだけのあいさつ』(ミシマ社)などを記されていますが、ちくまプリマー新書、という叢書にあわせて少しやさしい書きぶりです。
とにかく語られていることが明快で、うなづきながらページをめくっていました。あまりに読みやすくて、サッ! と読了してしまったので再読しなくちゃなあ、と思っているところ。
著者が出版社2社で7年ほど働いたのち、ミシマ社を創業して20年近く。「出版はおもしろい」と言い切る著者に反して、周囲からかけられた言葉は「出版は斜陽産業」とか「出版はどんどんきびしくなる」といったマイナスイメージのことばかり。いや、出版業界だけではありません。あらゆる業界で「終わった」とか「未来はない」というふうに語られていますね。
それでも「先の見通せない未来を、おもしろく。」をモットーに著者は前を向いて生きていけるか? これからできることは何か? を問うています。
その前向きな姿勢はミシマ社から刊行されている本から、感じられることだなあと思いました。特に自分の興味関心のない分野の本でも、なんとなくおもしろそうっていう雰囲気を本がまとっている。それって本書で語られている“「モノ」という確かさ”ってことかも。
「出版」とはーー編集、営業、その他の業務、どれをとっても日々「おもしろい」を扱う仕事だと言い切ります。著者が全身で大変なことすらも、おもしろがっていることがページから感じられる。それってすごいことではないかな。わたしがもっと若ければ、ミシマ社で働いてみたいと思いました(笑)。
決して楽なことばかりじゃなかっただろうけど、それでもこんなふうに夢を語れるっていいですね。これからを生きる若い人…だけじゃない、全ての人へのエールでもあります。
出版に興味のある人はもちろんのこと、将来の道に悩んでいる人へ差し出したい1冊です。なんだか元気になれます~。 (す)
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