ベスト 👍 フィクション
『神の蝶、舞う果て』
上橋菜穂子 著
講談社 刊
2026年1月26日 発行
1980円(税込)
284ページ
対象:小学校高学年から

見えない流れに運ばれながら、それでも、私たちは光を求めて羽ばたく。

「守り人」シリーズなどの著作で知られる上橋さんの新刊です! また新しい物語を読むことができるとは、なんとも嬉しい限りです。\(^o^)/
ただ、新作ではないとのこと。え?
そもそもはなんと「守り人」シリーズを執筆している頃、1999年から2001年にかけて雑誌「子どもプラス」に連作されていたものだというのです。ご存知の方いらっしゃいますか?
雑誌に連載されていたとは初耳! 長いこと書籍化されることなく眠っていた作品がお目見えとは珍しい来歴ですが、そんなことはどうでもいい!(笑)
冒頭から一気に引き込まれる物語の展開は、さすがとしか言えません。

で、その物語。
カタゼリム(降魔士)の少年ジェードは、神と魔物、光と闇が宿っているという神聖でありつつも恐ろしい聖域で、魔物から聖なる蝶を守る役目を負っていました。ある日、ジェードの相棒の少女ルクランが蝶が舞い上がってくることを知らせる鬼火に触れるという事件が起こります。
やがて、ふたりは複雑な運命に翻弄されていくーー。

『獣の奏者』や『鹿の王』『香君』といった物語に通ずる萌芽を感じる、壮大で骨太な物語です。1冊のなかにギュー――っと上橋イズムのエッセンスが詰まっている。1冊読み切りなので、長編には挑戦しにくいなんて人に、おすすめしやすいかもしれません。
あとがきに、すぐに書籍化しなかった理由が書かれていますが、それはこの作家が信頼に値するものだと改めて実感するものでした。さすがの矜持といってもいい。上橋菜穂子という作家は作品の数はそんなに多くはないけれど、それには相応のわけがきちんとあるのです。
なんだか端から読み直したくなりました。
本作をきっかけに、これまでの作品にも光が当たるといいな、と思いました。  (す)

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