2018年夏に刊行がスタートした岩波書店の“リンドグレーン・コレクション”。これまでの箱入りハードカバー版“リンドグレーン作品集”に変わるものとして、第1期には10冊が出版されました。菱木晃子さんや石井登志子さんらによる新訳で「ピッピ」や「やかまし村」「カッレくん」などのシリーズが出ましたので、これまでのリンドグレーンファンも改めて読み直すきっかけになっているようです。
さて、このコレクションの第2期がいよいよ刊行開始となりました。最初の1冊は『やねの上のカールソン』です。リッレブロールの家にやってきたのは、背中にプロペラのついた空飛ぶヘンテコなおじさん・カールソン。自信満々でいたずら好きな食いしん坊と、大人は眉をひそめそうな性格ですが、子どものときに出会った読者の中には、どの主人公よりも大好きだったという人が少なくありません。ロシアやウクライナなどでは、ピッピよりも人気なのだとか！ まだこの個性的な主人公と友だちになっていない人はぜひこの機会に「うつくしくて、とびきりかしこくて、ちょうどいいくらい太っていて、一番いい年ごろ（本人談）」のカールソンに出会ってみませんか？ 今、ナルニア国で新刊『やねの上のカールソン』や既刊のリンドグレーン・コレクションをお買い上げの方に、2025年12月号の「図書」（巻頭特集：ピッピ80年、今こそリンドグレーンの物語を）をプレゼントいたします。こちらには、三浦しをんさんや木村草太さんが寄稿されていて、リンドグレーン作品の魅力を大人の視点で読み解いています。面白いだけではない作品の深みは、そういうところにあったのか！と改めて気づかせてくれるエッセイです。
リンドグレーン・コレクション第2期、第1巻『やねの上のカールソン』
アストリッド・リンドグレーン作／イロン・ヴィークランド絵／石井登志子訳／岩波書店 2200円（税込）
※「図書」2025年12月号プレゼント中！
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