エーリヒ・ケストナー没後50年の今年、2月には岩波文庫で戯曲『独裁者の学校』(715円:税込)が出版され、今月は昔懐かしい本が版元を変えて復刊されました。かつて東京創元社から出ていたユーモア・ミステリーの1作『消えうせた密画』が中公文庫に入って再登場です\(^o^)/ これは嬉しい~。翻訳は岩波少年文庫の最初の『エーミールと探偵たち』もてがけられ、今なお人気の高い小松太郎さん。そして、表紙画を描かれているのは『あたしのクオレ』の挿絵を描かれた本田亮さん、文庫解説は『ベルリンは晴れているか』の作者・深緑野分さん(そういえば、深緑さんはコルドンの『ベルリン1919』の推薦オビも書いていらっしゃいましたね!)です。
ナチスが政権をとった後もドイツに留まったケストナーは、いろいろな批判も受けたようです。しかし深緑さんの「銃声も、団らんの最中に秘密警察が飛び込んで来ることもない、いわば安全圏にいる私たちは、彼らをどう判断すればいいのだろうか。」という言葉は深く心に刺さります。ユーモアたっぷりの本を楽しく読みながらも、考えることはたくさんあるのです。

そして、お知らせしていました岩波書店函入りハードカバー版『エーミールと探偵たち』は、いよいよ品切れ間近となっています。ただ今取り寄せ中の7冊をもって完売(そのうち予約が3冊)ですので、ご希望の方はお早めにご連絡ください。ゴールデンウィーク明け頃には再入荷の予定です。

●ただいま店頭品切れ・入荷予定あり
『ケストナー少年文学全集1 エーミールと探偵たち』高橋健二 訳/岩波書店 1760円(税込)

●新刊
『消え失せた密画』小松太郎 訳/中公文庫 990円(税込)

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