アーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』に始まる「ランサムサーガ」は、現在続々岩波少年文庫に入っている最中ですが、先日、最新刊『長い冬休み』が発売されました。これから夏休みなのに、「冬休み」!?という気がしないでもありませんが、これはランサムの作品の中でも特に人気の高いお話なのです。というのも、ランサムの話はヨットや船がメインで、その構造や操縦方法の描写が結構細かく、読み手が躓く部分でもあるのですが、この作品は湖が凍ってしまう冬の話なので、そういったマニアックな表現が少ない!ゆえに、子どもたちの冬休みの冒険物語として、一般の読者にもとても入りやすいのです。さぁ、暑くて長い夏休みに『長い冬休み』を読んで、涼しく楽しい冒険をしましょう!