2024年1月1日に発生した能登半島地震から明日で3か月となります。まだまだ多くの方が避難をしており、ライフラインの復旧にも長い時間がかかりそうです。日常が簡単には取り戻せない中で懸命に日々の暮らしを続けている方たちに、自分ができることはなんだろうかと考えてしまいます。

先日、NHKの夜のニュース番組でも取り上げられた絵本『あさいち』が話題で、店頭でも問い合わせが続いています。初版は1980年と今から44年前ーー石川県輪島市の名物である朝市の活気あふれる様子を描いた絵本です。近年では多くの観光客が訪れていたそうですが、この絵本を見ると地元の人たちの生活の一部であったことがわかります。自分の畑や近所の山でとれた作物を売る人、水揚げされたばかりの新鮮な魚を売る人、イカの塩辛や干し柿を売る人……たくさんのおばちゃん・おばあちゃんたちのにぎやかな声が絵本から聞こえてくるようです。ここで小さな商いをすることはきっと、お金を稼ぐこと以上に日々を豊かに生きることに繋がっていたに違いないーー地に足のついた暮らしの一部が人々の何気ない会話から垣間見えるのです。

早くまた、こうした風景が輪島朝市に戻ることを祈ります。

復刊『あさいち』大石可久也 絵/語り 輪島・朝市の人びと/福音館書店 1100円(税込)
※本作品の利益は、令和6年能登半島地震災害義援金として、日本赤十字社に寄付されます。

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