最近こんなお知らせばかりで本当に残念ですが、またも出版社品切れ重版未定のお知らせです。岩波書店の下記書籍が近々入手不可となるので、お買い逃がしのないようにご注目ください。

まずは岩波の子どもの本から2点。
1作はルース・クラウスとモーリス・センダックのゴールデンコンビによる『おふろばをそらいろにぬりたいな』です。翻訳者の大岡信さんが折り込みの小冊子で絶賛したこの本は、センダックの作品の中では地味であまり知られてはいませんが、ひとたびページをめくり主人公の男の子の心の声を聞き始めると、その美しさとはてしない広がりに、大人さえも魅了されることは間違いありません。「ことばのえもいわれぬ軽やかな詩と、いきいきとした命と色彩を求める子供のすてきな絵とが、両々相まって、豊かで意味ふかい幼児絵本を生み出している」という大岡さんの言葉に深く納得します。まさにこのような本こそ、子どもたちの柔らかな心に届けたい1冊です。
もう1作は文豪サマセット・モームが唯一著した子どもの本である『九月姫とウグイス』ーーシャムの王さまの9番目のお姫様と自由を愛するウグイスの、「愛とはなにか」を語る美しい寓話です。子どもの本シリーズのぞうさんマークはもともと小学校中学年以上が対象ですが、この本の本当の価値がわかるのはティーンエイジャー以上ではないかしら?そんな風に思わせる作品でもあります。子どもの時に出会って忘れられない1冊になっているというお話もよく聞きますね。武井武雄のイラストはただ異国的な情景を描き出すだけではありません。彼の絵の「モダンでナンセンスな味わい」が物語にぴったりなのです。もしこの物語をご存じない方がいたら本当にもったいない! 大人にこそ読んでいただきたい作品です。

さらに近日品切れになりそうなのが、石井桃子さんの『幻の朱い実』の下巻(ちなみに上巻はまだ大丈夫だそうです)。 しかし下巻が手に入らなくなったら物語が簡潔しないではないですか! そんなひどいことが……。というわけで、今回はぜひこの本を今のうちに買いそろえて読んでほしいという思いから、上下巻セット販売に踏み切りました。(もちろん、下巻だけが必要というお客さまには、下巻のみの販売も行っております。)
解説で川上弘美さんが「石井桃子といえば、子供に向けて書く作家、というそれまでの思いこみを、大きくくつがえしてくれる作品でもあった。」「ほんとうに、美しいまぼろしのような、美しい奇跡のような、小説だと思う。」と書いている『幻の朱い実』――上下巻で900ページを超える大作ではありますが、この本が“私の本棚”にあることの幸福を皆さんに感じてほしいです~~~。ちなみに、尾崎真理子さんの評伝『ひみつの王国』と併せて読むと、きっとおもしろさが倍増しますよ!

 →先日来お知らせしている『グリム童話集3』(2090円:税込)はいよいよ残り3冊となりました!

『おふろばをそらいろにぬりたいな』『九月姫とウグイス』は、ナルニア国が買い占め(!?)てしまったため、すでに岩波書店のサイトでは「品切れ」となっています。ナルニア国でも在庫なくなり次第終了です。「おふろば」が26冊、「九月姫」が57冊、『幻の朱い実(下)』は在庫僅少ですので、いずれもご希望の方はお早めにお求めください。遠方でご来店が難しい方にはお届けも承りますので、ご注文をお待ちしております!

【岩波書店品切れ&在庫僅少本】
『おふろばをそらいろにぬりたいな』ルース・クラウス文/モーリス・センダック絵/大岡信 訳/924円(税込) 店頭在庫26冊のみ!
『九月姫とウグイス』サマセット・モーム文/武井武雄 絵/光吉夏弥 訳/990円(税込) 店頭在庫57冊のみ!
『幻の朱い実』(上下巻セット) 石井桃子 著/2992円(税込) ※下巻のみは1342円(税込)

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