NHK-Eテレの100分de名著、4月はイタリアの児童文学の古典『ピノッキオの冒険』が取り上げられました。知っているつもりでいた人も、改めてピノッキオの悪童ぶりにびっくり仰天したのではないか……と思います。この作品が生まれた時代背景や作者コッローディの人となりなどを丁寧に解説してくださった、指南役の先生(イタリア文学研究者の和田忠彦さん)に感謝です。子どものように面白い出来事だけを追ってワクワクしながら読んでも楽しいけれど、それだけではわからない作品に込められた意味に気がつくと、この奇想天外な物語の違った側面が見えてくるように思います。大人にはそんな楽しみ方もしてほしい! 長く読み継がれる児童文学には決して「子供騙し」ではない深みがあることを教えてくれた100分でした。
番組のテキストはナルニア国でも販売しています。少年文庫の『ピノッキオの冒険』(もちろん完訳!)と合わせて読むといいかも♡ 2冊合わせても1412円(税込)で郵便のレターパックライト(370円)でお届けできます。ちなみに1冊ならスマートレター(180円)でOKです! ご希望の方はナルニア国までお問い合わせください。
ちなみに昨年夏の東京子ども図書館の季刊誌「こどもとしょかん162号」ではなんとイタリア児童文学の特集が組まれていたことを発見! イタリア文学翻訳者の長野徹さんによる「評論:イタリアの児童文学―『ピノッキオの冒険』から現代まで―」は、100分de名著を見た後だと余計によくわかって面白いです。長野さんはイタリアの児童文学について「空想的な物語であっても、どこか現実世界とつながっていて、しっかりと地に足がついています。(中略)笑いやユーモア、風刺やパロディー精神に富んだ作品が多いのも、そうした想像力のあり方や現実へのまなざしゆえでしょう。」と解説しています。こちらもこの機会に合わせてどうぞ!
「100分de名著 ピノッキオの冒険」NHK出版 524円+税
『ピノッキオの冒険』コッローディ作/杉浦明平訳/岩波少年文庫 760円+税
「こどもとしょかん 2019年夏・162号」東京子ども図書館 710円+税