『おそばのくきはなぜあかい』や『たなばた』などの美しい絵本でファンの多い初山滋さんが、終戦直後に出版した絵本の復刻版が発売されました。写真の『山のもの 山のもの』(よるひるプロ/1650円+税)です。
「街のものが くへないとさ」と聞いた山のものたちが、おまんじゅうや魚の干物やお菓子を作ったりして、はるばる街まで届けに行くのです…。山のものたちの良い心根が温かく、あまりにもストレートな結末に拍子抜けするくらいですが、読み終わった後に「あぁ、こういう素直な気持ちを忘れていたな」と、爽やかな思いが心の中を吹き抜けるようでした。
それにしても、初山さんの絵は子どもに媚びたところが全くなく、それでいてちょっぴりユーモラスな物語の雰囲気が初山流の線画から伝わってきます。お話は18ページくらいの短いものですが、素敵なケースに入ってこの値段は安い!ぜひお手に取ってご覧くださいませ。ちなみに、以前出ていてしばらく品切れになっていた(らしい)『たべるトンちゃん』(よるひるプロ/2300円+税)も再入荷しました!