クリーンヒット⚾ ノンフィクション
『ルース・ベイダー・ギンズバーグ』/シリーズ「信念は世界を変えた!③」
ジェフ・ブラックウェル&ルース・ホブデイ 編
橋本恵 訳
あすなろ書房 刊
2020年10月 発行
本体1,000円+税
88ページ
対象:中学生以上

信念に基づいて行動しなさい。ただし闘いは選び、のっぴきならない状況には追いこまれないように。

1993年から2020年9月に亡くなるまで27年間、アメリカ合衆国の連邦最高裁判事の座にあり、大きな影響力を持った法律家のルース・ベイダー・ギンズバーグは、その生涯を通じて性差別の撤廃を求め続けた。男女平等の実現のために発言を続けた彼女の信念は、どのように培われたのかーーインタビューやスピーチなどから読み解いていく。

ルースがハーバード大学のロースクールに入学した1956年の新入生は男子500人に対して、女子はわずかに9人。法曹界で女性弁護士は3%しかおらず、とびぬけて優秀な成績を収めた彼女も女性だという理由で法律事務所に務めることができませんでした。
その後も、頑固で理不尽な偏見が彼女の道を幾度となく阻みますが、ルースは決してあきらめませんでした。彼女の人生が女性の権利拡大の歴史そのものであり、粘り強く柔軟に最善を尽くして社会の常識を少しずつ変えていったルースの存在がなければ、女性が社会の中で重要な役割を占める環境はいまだ不十分だったかもしれません。男女平等の今より暮らしやすい社会を目指して声をあげていくこと、それがバトンを手渡された私たちの使命なのです。

また、ルースの母親、そして夫であるマーティン・ギンズバーグ氏の存在が、彼女の活躍に与えた影響も大きかったことがインタビューから読み取れます。彼女に自立して生きることや自制心の大切さを教えた母、彼女の才能を認め対等なパートナーとして共に歩み続けた夫、ルース・ギンズバーグの生涯と信念を支えたのは彼女を愛し、理解する人々がいたことと切り離すことはできないのだと感じました。(か)

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