東京子ども図書館の季刊誌「こどもとしょかん」の163号が刊行されました。特集は6月に開催された山内玲子さんの講演録で“『クマのプーさん』はどのようにして書かれたかーー成功の光と影”です。ナルニア国でも3月に『グッバイ・クリストファー・ロビン』(アン・スウェイト著/国書刊行会/2700円+税)出版記念として、翻訳者の山内玲子さんと田中美保子さんのお二人をお招きした講演会を開催しましたが、こうして改めて読むとあまりにもプーが有名になってしまったがためのミルンの複雑な思いがひしひしと伝わってきます。プーの成功がミルン一家にもたらしたのはとても苦いものであり、これによって父と息子の間に大きな溝が生まれてしまったことは、読者としてとても悲しく思われました。ですからこのスウェイトの伝記によってクリストファーが父と和解できたと知って、本当に心が軽くなりました。300ページ超の伝記を読むのは大変と思われる方は、ぜひ先にこの山内さんの講演録をご覧ください!
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「こどもとしょかん 2019年秋 163号」東京子ども図書館・編/710円+税