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今年の4月28日に96歳で亡くなられた、アメリカの絵本作家マーシャ・ブラウンによる幻のデビュー作が復刊となりました。以前ブック・グローブ社から『メリーゴーランドがやってきた』のタイトルで出ていたのをご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、随分長いこと品切れで買うことはできませんでした。この度、瑞雲舎より翻訳者を変えて新たに出版されたのがこちら、『ちいさなメリーゴーランド』です。原書の出版年は1946年、でも絵もお話もちっとも古くありません!賑やかな音楽を鳴らしてやってきた色鮮やかなメリーゴーランドと、それに乗った子どもたちのワクワク感が絵本の画面から伝わってきます。

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もう1冊はこちら、フランスの中世文学『狐物語』が福音館書店の古典童話シリーズの最新刊として登場しました!翻訳者はあの『ぐりとぐら』の絵を描いた山脇百合子さんです。以前、福音館書店から山脇さんの絵と翻訳で『きつねのルナール』という、この本をもう少し優しくした本が出ていたのをご記憶の方もいらっしゃるかと思います。今回はもう少ししっかりした形で、小学校高学年以上の方向けに出版されました。物語の履歴は巻末の解説に詳しくありますので、どうぞそちらをお読みください。数百年も前に書かれたとは思えない、赤毛の悪漢(山脇さんも“性悪狐”と呼んでいます!)・きつねのルナールの活躍に、読者はハラハラしたりドキドキしたり…ショヴォーのユーモラスで読者のイメージを喚起する絵とあいまって、とても楽しい作品に仕上がっています。頭で考えず、素直に物語に気持ちをゆだねてくださいね!

『ちいさなメリーゴーランド』マーシャ・ブラウン作/こみやゆう訳/瑞雲舎 1400円+税
『狐物語』レオポルド・ショヴォー編・画/山脇百合子訳/福音館書店 2300円+税