センダックの新刊絵本のご紹介です。ルース・クラウスとのコンビと言えば『あなはほるもの おっこちるとこ』や『ぼくはきみで きみはぼく』、『うちがいっけんあったとさ』などの絵本が思い浮かぶことでしょう。そこにまた楽しい作品が一つ加わりました。『ちょうちょうのために ドアをあけよう』ーーこれは『あなはほるもの~』や『ぼくはきみで~』と同じ、小さな子どもたちの言葉を集めたような作品です。くすっと笑えて、ほほーとうなづき、時にはドキっとさせられる、ルース・クラウスは天才だ!と思います。センダックの描く子どもはしぐさも表情も魅力的で、かわいいけれどかわいいだけではない自立した個性豊かな存在として生き生きとしていてステキ!小さくて大人の両手に収まりそうなサイズですが、見れば見るほど楽しい絵本です。
「そんなに つかれたって いうなら つかれを ポイって すてちゃえば いいのよ」
うーん、確かに。その通りかも!

『ちょうちょうのために ドアをあけよう』ルース・クラウス文/モーリス・センダック絵/木坂涼訳/岩波書店 1000円+税