odoruhikari
オランダ屈指のストーリーテラーで、『王への手紙』の作者トンケ・ドラフトの最新短編集が出ました。タイトルは『踊る光』――ここには6つのお話が収められています。
あとがきに翻訳者の西村由美さんが書いていらっしゃいますが、なんと表題作の「踊る光」は『王への手紙』のウナーヴェン王国の西のはずれにあった灯台が舞台の物語なのだそうです。そういわれて思わず『王への手紙』の最初にある地図を見たら…ありました!確かに左上、太陽のしずむ海に面したところに“灯台”の文字が!!これは『王への手紙』『白い盾の少年騎士』の読者は、読まずにはいられませんね。
6つの作品はいずれも「謎めいたおとぎ話風の作品や冒険物語、あるいは、善と悪についての物語――短いお話でも、長編の場合と同じように、読者は、トンケさんの語り口に引き込まれ、その世界で、主人公たちとともに冒険を体験することでしょう。」と、西村さんがあとがきで語っておられます。みやこしあきこさんの挿絵も素敵な短編集、ぜひお手に取ってご覧ください。

『踊る光』 トンケ・ドラフト 作/西村由美 訳/宮越暁子 絵/岩波書店 1600円+税