ベスト👍 フィクション
『彼方の光』
シェリー・ピアソル 作
斎藤倫子 訳
偕成社 刊
2020年12月 発行
本体1600円+税
302ページ
対象:小学校高学年から

実話をもとに描かれる、一気読みの逃亡劇

黒人奴隷の少年サミュエルと70歳くらいの老人奴隷ハリソンは、旦那様の農場から逃げ出しカナダを目指すこととなりました。この2人の手に汗握る、今から160年ほど前のアメリカを舞台にした逃亡劇の物語です。

サミュエルの視点で描かれるので深刻な場面も深刻になりすぎず、ときにユーモラスだったりします。とはいえ、見つかれば命を失うかもしれない危険な旅です。読みながら「どうか見つかりませんように!」と思わず祈らずにはいられませんでした。
物語に出てくるエピソードの数々は実際にあったバラバラのできごとを作者の視点で紡いでいるそう。そのためもあってか、とても説得力のある描写です。

作者の地道な取材の力とそれを普遍的な物語に昇華する力を感じた物語でした。このような思いをする人が二度とあってはいけない、と強く思いました。大人の方にもぜひ、手にしてほしい1冊です。(す)

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