2016年3月から刊行が始まった こぐま社の“どんどん文庫”シリーズ。毎回2冊ずつの本が出ていますが、今月第3弾が刊行されました。今回は外国と日本の創作物語です。
1冊は「チム・ラビット」や「グレイ・ラビット」の作者、アリソン・アトリーの『小さな赤いめんどり』。一人暮らしの寂しいおばあさんのところに、ある日小さな赤いめんどりがやってきました。このめんどりは不思議な力を持っていて、おばあさんの暮らしを助けてくれるのですが、そこへめんどりの元の持ち主が現れて…。貧しいけれど心のまっすぐなおばあさんの姿がとても素敵です。もう1冊は砂山恵美子さんの『ちびおにビッキ』。鬼の学校に入るには大おに校長先生の金棒より背が大きくならないといけません。背が足りなくてなかなか学校に入れないビッキが、一人でおんこの実を取りに行くと、トンビのピースケにさらわれてしまいました。
本の苦手な子もどんどん読めるようにと作られたシリーズです。短いお話ですがどちらも素直に満足できる結末で、楽しいひとり読みのスタートにぴったりだと思います。

『小さな赤いめんどり』アリソン・アトリー作/神宮輝夫訳/小池アミイゴ絵/こぐま社 1200円+税
『ちびおにビッキ』砂山恵美子作・絵/こぐま社 1200円+税