ベスト復刊👍 絵本
『クリスマスのうさぎさん』
ウィルとニコラス さく・え
わたなべしげお 訳
福音館書店 刊
1985年9月30日 初版発行/2022年4月5日 復刊
定価1,320円(税込)
48ページ
対象:幼児から

クリスマスの前の夜に起きた、ふしぎなできごととは!?

あしたは一年中でいちばん待ち遠しい日、クリスマス。デービーは夜になるのが待ちきれなくてそわそわしていました。その様子を見かねたお母さんにうながされ、雪の外へでかけます。
森の中でわなにかかったきつねに出会い助けたのち、案内されて行ったのは動物たちが集うパーティでした。皆が待つ中やってきたのは…サンタクロース! 動物たちは並んでプレゼントをもらいます。デービーは「こうさぎを一匹ほしかった」といい、小さい茶色いこうさぎが「あたしがいくわ」とデービーの腕に飛び込みます。こうしてデービーはこうさぎと友だちになりました。そして、ごちそうを食べ、みんなで遊びぶうち、辺りは暗くなったので、しかの背中に乗ってデービーは帰ることになりました。
そして、ベッドで目覚めて飛び起きたデービーを待っていたのは、あのうさぎでした!

クリスマスに起こる魔法をやさしく描いた絵本。何度見ても発見のある絵は、やわらかで伸びやかな線でただただうっとりさせられます。
この原稿を書くのに久しぶりに読みかえしたのですが、1日はただ「かわいい…」と言いながらページをめくってため息ばかりついていました。カラーのページと白黒のページの繰り返しが、よいリズムをうんでいます。
デービーの表情や、動物たちのしぐさがホントに何回見ても愛らしくて、ほれぼれしちゃう。色の使い方も洒落ていて、趣きが深い。色をたくさん使えばよい、ということではないことの良い見本みたいな絵本のひとつかと思います。わたしは仕事をし始めたときに出会って、一目ぼれしましたが、子どものときに出会える子が羨ましいです。
クリスマスのお話だけど、季節に限らず、読んでほしいと思います。

あんまり好きで、出版社の方に何度「復刊して」と言い続けてきたか…。しつこく、あきらめずに言い続けてきて今回復刊になって、本当に嬉しいです。
でも、限定復刊なんだよね…。それが悔しい。いつでも、どんな子にも出会ってほしい本のひとつなので、いつかそのような状況になるともっといい、と願っています。(す)

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