ベスト👍 フィクション
『ボーダレス・ケアラー 生きてても、生きてなくてもお世話します』
山本悦子 著
竹浪音羽 絵
理論社 刊
2021年5月 発行
定価1540円(税込)
235ページ
対象:中学生から

ある日ボーダーが見えるようになってしまった「おれ」のひと夏の物語

バイトとかけもちで認知症の祖母の様子を見に行くことになった海斗。1か月前に死んだ犬の散歩に毎日行っているという。海斗も祖母の家に行き、犬のリードを渡され、空のリードを持って散歩をすると「ボーダー」になった犬や町角にいる「ボーダー」の人々が見えたのだ。「ボーダー」とは死後の世界へ行けずに、生と死のはざまにいる存在のこと。
そうして海斗は「ボーダー」の生前の思いを受け止め、その思いを遂げる手伝いをするようになる。そんななか、散歩の途中でよく出会うボーダーの中学生、セーラと深くかかわるようになって……。

介護、いじめなど現代的なテーマを盛り込みながらも重くなりすぎず、軽やかに人々を描いています。読後感も爽やかです。それは海斗の語り口で綴られているせいかもしれません。人物の描写がていねいで、しっかりと浮かび上がってくるのは見事です。 (す)

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