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“三重苦の聖女”、ヘレン・ケラー―目も見えず、耳も聞こえず、口も聞けない彼女がどうしてそう呼ばれるようになったか、皆さんご存知ですか?映画「奇跡の人」があまりにも有名なので、サリバン先生との幼少の頃のエピソードは皆さんとてもよくご存知かと思いますが、その後のヘレン・ケラーの生涯については、あまり知られていないのではないかと思います。“WATER!”の後にこそ、本当は彼女のすごさがあるのですが…。

村岡花子さんは生涯に3冊だけ、伝記を書いています。その1冊がこの『伝記ヘレン・ケラー』なのです。花子さんはヘンレ・ケラーが来日の際に通訳も務め、実際にお会いしたことがありました。そのことも、花子さんが伝記を書くという強い動機になったのではないかと思います。花子さんはご自身によるこの本の解説の中で「伝記というものは、無味乾燥な事実の羅列におわることもあり、生命の血の躍動となりうることもある。わたしは、微力ながら後者をえらび、その道をいこうと志した」と書かれています。村岡花子さんのヘレン・ケラーへの熱い思いが伝わる稀有な伝記が復刊されたことは、「花子とアン」効果とはいえとても嬉しいことです。この機会にぜひ、大人の方ももう一度ヘレン・ケラーの生涯を読み直してみませんか?