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『しぶがきほしがきあまいかき』
石川えりこ 作・絵
福音館書店 刊
2019年9月 発行
本体1100円+税
対象:小学校低学年以上 88ページ

ちちんぷいぷい  しぶがき しぶがき あまくなれ

3人きょうだいの末っ子、ちえちゃんは初めて干し柿作りに挑戦します。師匠はおばあちゃん。手作りの竹竿で柿を取り、家族総出で皮をむきます。ひもに吊るして、熱湯にくぐらせたら、お日さまに当てます。ちえちゃんの柿は、ひもじゃなくてハンガーに吊るしします。そして最後の仕上げはおばあちゃんのおまじない。

「ちちんぷいぷいのぷい おひさまいっぱいあたってね。
あまーい あまーい かきになれ
しぶがき しぶがき あまくなれ」

そう言えば、子ども時代一家総出で餅つきをしたり、鏡餅を作ったりしたっけ…。この本を読んで、記憶の彼方の引き出しにしまいっぱなしにしていた思い出が蘇って温かな気持ちになりました。

今の子どもたちは、一家総出で何かを作る経験はないかもしれませんが、この物語を読むとちえちゃんたちと一緒に干し柿作りをしているような感覚になります。

今年は田舎に帰省できない子どもたちもいるかもしれません。ちょっぴり寂しい思いをしている子どもたちがいたら、この本を読んでちえちゃんのおばあちゃんの温かさに包まれてもらえたらいいなと思います。  (く)

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