今日、8月9日は長崎原爆の日です。被爆者の方々も高齢化して、段々と戦争の記憶が遠ざかっていくことを心配する声がここ数年特に高まっているように思います。書店であるナルニア国ができるのは、本を通して事実を伝えていくことです。私も大人になるまで知らなかった“二重被曝”という事実を、ぜひ皆さんに知っていただきたいと思います。
『キノコ雲に追われて』は、終戦から10年後にあるアメリカ人ジャーナリストが行った二重被曝者の取材を2年がかりでまとめたの記録の翻訳で、2010年にあすなろ書房から出版されました。この年は、広島と長崎で二度の原爆を体験し、核廃絶の平和運動を続けてこられた山口彊(つとむ)さんが亡くなられた年です。1度ならず2度までも原爆の惨禍を体験するとはどういうことなのか――その苦しさを越えて証言を残してくださった9人の方々の思いを、戦争を知らない私たちはしっかり受け止めなければなりません。

唯一の戦争被爆国であり、その恐ろしさをよく知っているにもかかわらず、日本は核兵器禁止条約になぜ批准しない(できない?)のかというのは、一般市民の率直な思いではないでしょうか。核兵器は全人類にとっての脅威であり、それが使われた時には勝者も敗者もなくなります。核兵器のない世界を作るために、私たちもできることから始めませんか? 本を読んで知ることもその一つです。

『キノコ雲に追われて 二重被爆者9人の証言』ロバート・トランブル著/吉井知代子 訳/あすなろ書房 1430円(税込)→こちらの本は出版社品切れ・重版未定です。店頭在庫のみ!
『ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ 原子力を受けいれた日本』田口ランディ著/ちくまプリマー新書 891円(税込)
『核兵器はなくせる』川崎哲 著/岩波ジュニア新書 902円(税込)

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